【本の感想】アガサ・クリスティー 『ハロウィーン・パーティ』 中村能三訳

アガサ・クリスティー 『ハロウィーン・パーティ』 中村能三訳、早川書房クリスティー文庫電子書籍版)、2011年発行を読みました。

原題は『Hallowe’en Party』です。

☆☆

第三の女』に続く、名探偵エルキュール・ポアロシリーズの三十一作目です。全体的にもやもやした物語です。

犯人を捜す道筋

余計な発言が招いた事件です。殺された少女の話は本当か嘘か。本当ならばどこで知ったか。誰にも言っていないか。嘘ならばどこからそれを知ったのか。こういったことにポアロが村を歩いて捜していきます。

村人たちの会話から被害者の人物像を明らかにし、過去に起きた事件との関連性から結びつきを探していきます。途中まではゆっくりと進み、その中でヒントもあるのですが、なかなか結びつきません。

パーティーでの実行犯の特定が簡単なだけに、その展開にはもやもやとさせられます。最後の唐突さと、受け入れる少女の言葉に現実味は無いように思います。

さいごに

オリヴァ夫人やスペンスもと警視、『鳩のなかの猫』の舞台となったメドウバンクなど、過去作の関連させながら話は続くのですが、全体的にもやもやしています。

インパクトの強い出来事はなく、最後の儀式の話などハロウィーンらしく幻想的といえばそうなのでしょうが、唐突で現実味が無く、ミステリとしては面白味に欠けます。犯人に魅力的な動機は無く、華やかさもありません。

それでも最後まで読めてしまいます。不思議です。

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