【本の感想】アガサ・クリスティー 『スタイルズ荘の怪事件』 矢沢聖子訳

アガサ・クリスティー 『スタイルズ荘の怪事件』 矢沢聖子訳、早川書房クリスティー文庫電子書籍版)、2011年発行を読みました。

原題は『The Mysterious Affair at Styles』です。

☆☆☆

ミステリの古典として、ミステリーの女王アガサ・クリスティーのデビュー作として、名探偵エルキュール・ポアロ初登場作として読むと面白いです。

ミステリの古典として

さすがに今読むと古さを感じさせますが、今でも十分に読めます。オリジナルの発表が1920年だったことを思うと驚きです。

とはいえ、話が面白いかというとそれなりです。館もので登場人物の多く、しかもそれが家族のため似たような呼び方にもなるため、慣れないと誰が何をしているか分からなくなって戸惑ってしまいまうからです。

とはいえ、ポアロの言葉や行動を頼りにそれぞれを整理しながら読むと犯人捜しを楽しめます。

犯人を捜す物語

物語が進んでいくことで証拠品が増え、疑問点が増え、バラバラだったものがまとまる展開です。序文のヒントがかなりのものなのですが、それでもなかなか結びつかずやきもきさせられます。

ポアロは奇声を上げますし、ヘイスティングズは突然プロポーズをしたり、分かりやすいミスリードをしてきて混乱させられたりもします。正直、よく分からないキャラクター性です。本書がデビュー作であること思うと、キャラクターが固まっていないのかもしれません。

さいごに

あのアガサ・クリスティーのデビュー作として読めば全てが面白いです。逆にアガサ・クリスティーやエルキュール・ポアロの知識がある程度あると、その知識とズレがあって戸惑ってしまうかと思います。

私の初ポアロはずいぶんと昔に読んだ『オリエント急行の殺人』ですし、初クリスティーは『そして誰もいなくなった』です。名作名高い二作の後にデビュー作を読んでしまったので、どうしても微妙な読後感になってしまいました。

そのため繰り返しになりますが、ミステリの古典教養として、「あのアガサ・クリスティーのデビュー作を楽しむ」であるとか、「ポワロシリーズの一作目を楽しむ」というスタイルならば、それだけで面白いはずです。

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