林亮介『迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル?』 ソフトバンククリエイティブ(GA文庫)、2008年発行を読みました。
読み始めて数分で人が死ぬ、命の安い小説です。冒険者たちの様々な視点で死と隣り合わせのダンジョン生活が描かれています。
迷宮街クロニクルの一作目のためか、ダンジョンと現代を結びつける状況の説明が多めです。
☆☆
つまらないわけではないですが、面白いわけでもないです。
京都にできたダンジョンを舞台に戦う人たちの物語は成功も失敗も成長も、仲間とのやりとりもあっさりとしています。
ダンジョンを中心とした世界観
ダンジョンが出来た理由やモンスターがいる理由は分かりません。しかし、ダンジョンを中心に冒険者がいて、冒険を支える人がいて、経済がまわる理由付けはされています。
冒険者たちは日本だから銃は使えず、ダンジョンだから魔法のようなものが使えます。冒険者たちが背負っている理由は、金のため、自分探し、正義感など様々です。
なんとなくそれっぽい理屈で物語が出来ていることが興味深かったです。
命の安い世界
冒頭で人は死に復活はしません。作中でも何人かは死にます。
死の瞬間や仲間のことも描かれているのですが、どの場面でも命に関して全員が割り切っているような奇妙な感覚です。
さいごに
命の安いところやダンジョンの話、何もかもがあっさりとしているところは『ウィザードリィ』を彷彿させます。
次巻の『迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの』ではさらにダンジョンの探索が進みます。
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