マイケル・グレガー、ジーン・ストーン 『食事のせいで、死なないために [病気別編] もっとも危ない15の死因からあなたを守る、最強の栄養学』 神崎朗子訳、NHK出版、2017年発行を読みました。
原題は『How Not to Die: Discover the Foods Scientifically Proven to Prevent and Reverse Disease』です。
病気別編と食材別編の分冊です。こちらは病気編の名の通り、病気別に食材を紹介しています。
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多数のエビデンスを元に、病気別の治療に有効な食材を紹介しています。その食材の多くは緑黄色野菜であり、実際はビーガンのすすめのようになっています。どの食材は、表紙がある意味全てを語っています。
エビデンスがたくさん
各章をまとめると、「○○と食べると××のリスクが□□%アップする」、「△△だと××のリスクが□□%ダウンする(良くなる)」という記載が多いです。○○が肉や油です。××は病状などです。△△は菜食です。□□は数字です。
これらを沢山のエビデンスでもって、なぜその食材が有効なのかが書かれています。それ自体にバイアスが掛かっており、恣意的な可能性は否めません。しかし、進められる内容は、この手のジャンルの本でよく見聞きするものです。信じるかはどうか別にして、菜食中心の食事へ踏み出すきっかけになるでしょう。
アメリカの話
とはいえ、あくまでアメリカでの話です。そこで気にあるのがアメリカの畜産事情です。鶏肉・卵・乳牛の話を読むに、行き過ぎた感のある自由資本主義を垣間見たような気がします。栄養や衛生は横に置いておいてお金稼ぎ優先であり、食べる人のことは考えないスタイルがあるように思えます。
これが日本だとどうなのかは分かりません。アメリカよりもマシなのか、アメリカと同等なのかなど気になるところです。まあ菜食志向だと鶏や牛が何を食べていてもだめな気がします。
さいごに
食生活を見直す、菜食生活をするきっかけになると思います。例えば、アブラナ科のブロッコリーを食べてみるとかです。
栄養学は医食同源の話です。本書の内容はエビデンス(論文)の多さに違いはありますが、『新版 粗食のすすめ』や『新版 日本の長寿村・短命村』とさほど変わりません。
なお、『日本の長寿村・短命村』の副題は「緑黄野菜・海藻・大豆の食習慣が決める」です。
つまりはそういうことなのでしょう。
何を食べればいいかは『食事のせいで、死なないために [食材別編] スーパーフードと最新科学であなたを守る、最強の栄養学』に書かれています。
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