【本の感想】内澤旬子 『世界屠畜紀行 The World’s Slaughterhouse Tour』

内澤旬子 『世界屠畜紀行 The World’s Slaughterhouse Tour』、角川書店角川文庫)、2011年発行を読みました。

☆☆☆☆☆

明るい屠畜紀行です。野次馬的好奇心で日本を含む様々な国の肉になるまでの営みについて書かれています。率直に、軽いノリで書かれているため読みやすいですし、肉になるまでを考えるきっかけになります。

屠畜紀行

日本を含む、様々な屠畜の現場について書かれています。世界中というわけにはいかず、韓国、バリ島、エジプト、イスラム世界、チェコ、モンゴル、インド、アメリカのことが書かれています。日本では東京と沖縄のことが書かれています。

世界の屠畜色々

面白いのが国が違えば色々と違うことです。肉にする動物もですが、その方法も異なります。一度に屠畜する頭数も家族で一頭という小規模から一日で数千頭を屠畜する大規模まで様々です。国、歴史、文化、宗教が屠畜に影響を及ぼしていることが分かって、大変興味深いです。

それぞれの国の肉になるまでの営みはイラストで丁寧に書かれています。イラストだからか、生々しさがちょうどいい具合になくなっているように思います。また、著者の姿勢も野次馬的好奇心が出ており、軽く、率直で無邪気な感じがしているので大変マイルドです。

深掘りをしているわけではなく、気づかせてくれることは沢山ありますが、あくまでもライトに書かれています。そのため物足りなさがないわけではありませんが、イラストがその物足りなさを補ってくれています。また、文体は軽く、素直な野次馬的好奇心で書かれているため、いいあんばいになっています。

兎にも角にも好奇心は十分に満たせました。

さいごに

無邪気に知的好奇心が満たせるいい本です。そして読むと焼き肉を食べたくなります。

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